「高齢や認知症の方とどのように話せばいいんだろう」
「無口の方だったら会話の最中、間が出来てしまったらどうしよう」
介護のお仕事をご検討されている方や、介護のお仕事に就いてまだ日にちが浅い方だとこのようなお悩みがあるかと思います。
そこで今回は
・介護のコミュニケーションで大切なこと
・コミュニケーションのポイント
を詳しく解説します。コミュニケーションのポイントを心に置いて、介護のお仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか?ぜひ、最後までお読みください。
◆介護のコミュニケーションで大切なこと◆
介護現場でコミュニケーションは介護の基本になります。基本に繋がるような方法が介護のコミュニケーションでは大切です。
私たちは相手に意思や思考を伝えてコミュニケーションを取り、信頼関係を築いています。しかし、介護を必要とする方々には、病気や体の状態によって自分の気持ちを相手に伝えることが困難な方が多くいます。認知症や障害の症状(視覚や聴覚、言語能力の低下など)によってコミュニケーションができなくなり、下記のような苦しいストレスを感じるようです。
・自分の気持ちを伝えられない
・うまく会話ができない
・話し相手の言っている事の理解力が低下
解決法として、ポイントを押さえた日常会話や、声かけで高齢者が安心することがあるようです。そこから信頼関係が築かれ、充実した介護によって満足度も上がっていきます。
コミュニケーションは介護施設等の職員間でも重要となります。意思疎通ができていなかった為に、連携が取れずご利用者に迷惑がいったり、業務が増えたりと負担が生じる事が考えられます。ご利用者のご家族ともコミュニケーションを日常から図っておくと問題が起きた時の相談や、事前に問題を回避することに繋がります。
コミュニケーションで構築された信頼関係によって、介護の満足度が増し、滞ることなく介護のお仕事ができるようになります。この流れが介護の基本になり、基本になるようなコミュニケーションが大切な要素となります。
◆ポイントは5つ 介護現場でのコミュニケーションの基本◆
高齢者とコミュニケーションを取ることは質の高い介護を提供す為に重要です。ここでは、介護施設などでも役立つコミュニケーションの基本ポイント5つをご紹介します。
・自分を知る(自己覚知)
自分の性格・行動パターン・感情・行動パターンなどを理解し知ることを「自己覚知」といいます。介護を提供する上で自分の価値観や思い込みを持たずに高齢者と接することが重要です。自分を知ることで、自分自身の性格や感情を客観的に冷静に理解でき、価値観や感情の影響がないサービスを提供できるようになります。
また、他の人から見た自分と自分自身で知っている自分に違いがあります。他の人から見て自分はどの様に見えているのか確認してみましょう。
・聞き上手になる(傾聴)
相手の話を聞くことを「傾聴(けいちょう)」といいます。話を聞く事は人とのコミュニケーションで最も基本となります。話を聞く時のポイトを下記にまとめました。
- 否定しない
- 共感する
- 話を途中までさえぎらず最後まで聞く
- 話をまとめる
- 非言語コミュニケーションを意識
※非言語コミュニケーションとは言語や言葉以外(表情や顔色・身振り手振り・視線・体勢や距離感など)を使って自分の意思を伝える方法。反対に言語や言葉による意思の伝達を言語コミュニケーションという。
相手が話を聞く姿勢を持つと話せる雰囲気になります。話すことで一緒に考えてくれていると感じ、信頼関係が生まれます。
・ご利用者・ご家族を知る
年齢・立場・育ってきた環境・今の暮らし方など、ご利用者とあなたには違いがあり、あなたは違う存在です。違いを認知し、ご利用者とそのご家族の事を知ることで、違う角度からもの事を見ることができるようになります。そこから相手の考え方やこだわりを理解し、心に寄り添った介護サービスの提供が可能となるのです。
・共感する≠迎合する
自分の話に共感してもらえると誰でも嬉しいと思います。もちろん高齢者も嬉しく感じます。「話していることが違うな」と思っても反論せずにまずは、相手の考えを受け入れる事が大切です。相手の考えや価値観に共感し、一緒に会話を楽しむ気持ちで接してみてはいかがでしょうか?
しかし、共感とは全ての要望に応える事ではありません。その場しのぎで介護職以上の期待に添えるような発言や言動は控えましょう。「できない」事が発覚すると「期待に添えない」となり信頼関係も崩れてしまいます。時間がかかっても丁寧に「できること」と「できないこと」を説明する事で継続的な信頼関係に繋がります。
・誠実な態度で礼儀を持って接する
多くの場合、介護を必要としている方は介護をする側の方よりも年齢が上です。たくさんの人生経験を積まれている先輩に、介護する側の自分の方が上だと思う事は厳禁です。尊敬の気持ちを持って丁寧に質の良いサービスを提供するように心がけましょう。
◆閉ざされた質問、開かれた質問でさらに会話の技術力もアップ◆
会話の技術に「閉ざされた質問」「開かれた質問」があります。実践で取り入れると会話の技術がアップします。
・閉ざされた質問
「はい」「いいえ」や短い回答で終わることができる質問。会話をすることが苦手な方や言語障害などで言葉を上手く出せない方に適した質問方法。
(例)「げんきですか?」「おいくつですか?」「今日は寒いですね」など
・開かれた質問
「はい」「いいえ」だけでは答えられない広がりを期待できる質問。介護を必要とする方の言葉を引き出す事が狙い。
「今朝の朝ごはんはどうでしたか?」「どうしてそのように思われたのですか?」「湯船に入った時どのような感じでしたか?」など
ご利用者の心身状態や性格などを考えて閉ざされた質問、開かれた質問を使用していきましょう。
介護のコミュニケーションで大切なことは、介護を必要とする高齢者とそのご家族、介護職員のそれぞれの気持ちや立場を考えることに繋がります。このことは介護の世界だけではなく、私たちは日常生活でも普通にしていることです。「介護現場」と難しく考えずに、ポイントを押さえたコミュニケーションで、相手の気持ちに寄り添って行動してみてはいかがでしょうか?介護職に従事することを検討中、転職先または就職先を探し中の方、福島介護求人・転職ナビから介護のお仕事を探してみてください。