扶養内パートは月いくらまで?損をしない年収&働き方を解説
2022.10.12掲載
  • Facebook
  • Twitter
  • Line
就職・転職の情報

現在パートで勤務されている方や、今後パートで働きたい方も「扶養内で働く」ことを考えてお仕事をされるかと思います。「扶養内で働く」と聞くと、年収103万、106万、130万の壁が出てきます。数字を見ると、年収の壁?壁を超えて働くことは損?と疑問に思いますよね。そこで今回は損をしない年収と働き方の解説をします。特に、手取りに差が出る「社会保険料」の壁106万、130万について詳しく説明します。また、2022年の10月から年収による改正もありますのでぜひ最後までお読みください。

 

 

◆106万、130万、パートの年収の壁とは◆

「106万」「130万」と年収を区切り、年収によって住民税・所得税・社会保険の支払い、配偶者控除から外れるなどが発生します。その区切りの年収を壁と呼んでいます。下記に「年収によって発生する税金など」をまとめました。

 

年収の壁から発生する税金など

年収100万円・・・・・・・・・住民税

年収103万円・・・・・・・・・所得税

年収106万円・・・・・・・・・社会保険料(要件を満たす場合)

年収130万円・・・・・・・・・社会保険料(無条件で発生)

年収150万円・・・・・・・・・配偶者控除から外れる

年収201万円・・・・・・・・・配偶者特別控除から外れる

 

社会保険料は年収の壁を超えると一気に大きな負担になります。

年収100万と103万は収入から控除を引いた後の税率の計算になるので、それほど多くの税金の負担にはなりません。また、150万円超えから「配偶者特別控除」の控除額の減額が始まりますが所得に応じて段階的に負担が重くなります。パートの年収が上がることで税負担を重く感じることはないようです。

 

 

◆扶養内で働くには?106万と130万の社会保険料の壁◆

社会保険料の壁には106万円と130万円の2つの年収があります。これは106万円を超えてからの社会保険料の発生は要件を満たした勤務条件の場合に適応されます。

 

・106万の壁で社会保険料が発生する場合

従業員数が「501人以上」の会社

週20時間以上の勤務

1年以上継続して勤務する見込み

1カ月の賃金が8.8万円以上(年約106万円以上)※

学生ではない

※1カ月の賃金に含まれないもの

臨時手当(慶弔手当、冠婚葬祭について支払われた手当、1カ月を超える期間ごとの賞与・ボーナスなど)

所定外給与(時間外労働、休日出勤、深夜勤務などの割増分賃金、通勤・家族・勤続などの手当)

 

106万の壁は2016年に社会保険の適用範囲が拡大され実施されてきました。2022年の10月の改正でも変更点が2か所あります。

1.106万の適用範囲が「従業員数が501人以上」から「101人以上」に拡大になります。 (2024年10月からは「51人以上」と徐々に拡大する見込みです。)

2.「1年以上継続して勤務する見込み」も「2カ月を超える雇用の見込み」へと変更になります。これにより短期間のパート勤務も社会保険へ加入が義務になりました。

 

・106万の壁で損をしない年収は?

106万円の壁の場合は、社会保険料が引かれても年収が増えるのは125万円から129万円の間です。

106万円の壁が対象になる社会保険料のシミュレーションでみてみましょう。

※今回は福島県の社会保険料になっています。社会保険料は都道府県で変わります。

・パート年収が108万円(1カ月9万円)

・交通費1カ月、5千円(社会保険の計算では交通費は含まれます)

1カ月の社会保険料は (全国健康保険協会のHPより)

健康保険料

4729円(介護保険料なし)

5532円(介護保険料あり)

厚生年金保険料

8967円

「社会保険料=健康保険料+厚生年金保険料」になるので

介護保険料なしの場合1カ月13696円、年間164352円

介護保険料ありの場合は1カ月14499円、年間173988円

介護保険ありとなしで変わりますが、年収108万円の社会保険料は年間17万円ぐらいです。年収と社会保険料を足すと約125万円なのでこの場合106万円から約125万円の間が働いても手取りは減ってしまう計算になります。手取りが回復する金額は約125万円から129万円になります。

 

・130万の壁で社会保険料が発生する場合

106万円に該当しない場合は130万円を超えると無条件で社会保険料が発生します。自分で社会保険料を支払うと、配偶者の扶養内で働くことができなくなります。

 

・130万の壁で損をしない年収は?

130万円の壁が対象になる社会保険料のシミュレーションです。

※今回は福島県の社会保険料になっています。社会保険料は都道府県で変わります。

・パート年収が144万円(1カ月12万円)

・交通費1カ月、5千円(社会保険の計算では交通費は含まれます)

1カ月の社会保険料 (全国健康保険協会のHPより)

健康保険料

6080円(介護保険料なし)

7113円(介護保険料あり)

厚生年金保険料

11529円

「社会保険料=健康保険料+厚生年金保険料」になるので

介護保険料なしの場合1カ月17609円、年間211308円

介護保険料ありの場合1カ月18642円、年間223704円

介護保険ありとなしで変わりますが、年収144万円の社会保険料は年間22万円ぐらいです。年収の144万円と22万円を足した年収166万円が手取り回復点になります。(パート先の理由で会社の社会保険に入れない場合は自分で加入となり、手取りが回復する金額はさらに高くなります。)

150万円からは配偶者控除から外れるのでここも考えるポイントになります。

 

◆トータル的にみる損をしない年収と働き方◆

社会保険を支払って手取りが減るよりも扶養内で働いた方が得した気持ちになるかもしれません。しかし、厚生年金に加入すると将来もらえる年金の額がわずかですが増えたりとメリットもたくさんあります。「傷病手当金」として病気で欠勤した時に健康保険からは給料の一部の補償として受けられたり、出産の為に会社を休んだ場合、期間がある給与補償があったりと働く方々に手厚いサポートもあります。1カ月の手取りや、社会保険料を支払い回復する金額を目指すなど働き方は家庭の事情なども含めて考えた方がいいかもしれません。

 

 

パートで働く場合、扶養内で働くといったお金のことも考えてお仕事を探されるかと思います。そういったお気持ちに寄り添い、お仕事を探している、転職を考えている方へ福島介護求人、転職ナビでは、転職アドバイザーが徹底的にサポートいたします。ぜひ、福島介護求人、転職ナビにお問い合わせ下さい。