介護施設・事業所における感染拡大の要因とその対応策の例
2022.09.28掲載
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介護・福祉業界

ここ近年は、新型コロナが猛威をふるい、介護施設や事業所でも感染者が増加しております。

今回の記事では感染拡大の要因と対応策の例について紹介します。

 

◆介護施設・事業所における感染拡大の要因について◆

介護施設・事業所における感染拡大の要因はまず複数人の利用者が共に生活をしたり、共同で利用するという介護施設・事業所そのものの性質です。

一定の度合いの集団で行動することが前提となっているため、1人でも感染者が発生してしまうと、感染の可能性が高くなり、そのスピードはどうしても速くなりがちです。

また介護のサービスの性質上、利用者と職員と触れることを回避できないため、利用者か職員のどちらが感染しても、双方に感染をさせてしまう可能性が高くなります。

加えて利用者の中には認知機能などが低下している方も多く、事業所側で気を付けてはいても十分な感染症対策が難しいことがあります。

このような理由から介護施設・事業所における感染拡大の要因となっております。

 

◆介護施設・事業所における感染拡大の対応策の例について◆

 具体的な対策方法

 ・素手で感染源に接触した場合は速やかに手洗いをします。

    ・もし触る際には手袋を着用し、終わった時は手袋を外し、石鹸と流水で手洗いをします。

    ・感染源により着衣しているものが汚れる恐れがある場合はプラスチックエプロンやガウンを使います。

   ・咳やくしゃみの飛沫が目に入る可能性がある場合はゴーグルやアイシールドを着用します。

   ・目や顔、鼻、口が感染源となりうる咳、くしゃみ、痰などで汚れる可能性がある場合にはフェイスシールドを使います。

   ・床が感染源で汚れた場合は手袋を着用して消毒液を使用して拭き取るようにします。

 

正しい手洗いや消毒の方法について

 手洗いの手順

 1.流水で良く手をぬらした後、石けんを付け、手のひらをよくこすりつけます。

 2.手の甲をのばすようにこすりつけます。

 3.指先や爪の間を念入りにこすりつけます・

 4.指の間を洗います。

 5.親指を手のひらをねじり洗いをします。

 6.手首を忘れずに洗います。

 

手洗いの際に気を付けたい点

洗い残しやすい指の先や指の間、手のしわや、手首、親指の周囲などに気を付けます。

また指輪や腕時計といった装飾品などは外して手を洗いましょう。

 

手指消毒の手順

1.十分な量を手の平に取ります。

2.手のひらにこすり合わせます。

3.手のひらに合わせてすりこみます。

4.指先・爪の間にすりこみます。

5.指の間にすりこみます。

6.親指をねじり合わせてすりこみます。

7.手首にすりこみます。

 

介助時の気を付けたい点について

食事介助

1.食事の前には必ず手指衛生を実施します。

2.介助は1名ずつ、ななめ後ろから飲み込みの様子を観察しつつ行います。

3.もしむせやすい方の食事介助をする場合は、前もってフェイスタオルを用意しておき、むせた際に口をそっと覆います。

4.介護をする職員は上体を後ろに引く、もしくは唾液などが飛ばない方向に体を反らすなどして、浴びないように気を付けます。

5.他の利用者の介助が必要になった場合は、予め手袋を2重に用意しておき、1枚外して対応する。もしくは他の介護職員に介助を依頼するようにします。

 

介護職員が病原菌を媒介しないためにも、食事をする前の手洗いを徹底し、清潔な食器や器具の用意をします。

清潔な状態を保持することができるように、使用した吸い飲みなどは食器用洗剤などを使用して洗って下さい。

 

排泄介助

1.オムツ交換、ズボン等の脱着介助、ポータブルトイレの排泄物の処理をする時には、排泄物に直接触れることがなくても必ず使い捨ての手袋とエプロンを着けて行いましょう。

2.手袋やエプロンなどは1ケアごとに取り替えると同時に、手袋を外した際は手先衛生を行います。

3.糞口感染の恐れがある場合は、専用のトイレを設置します。

 

清拭・入浴介助

1.入浴前に利用者の体調を確認します。もし体調が優れない場合は清拭に変更したり、入浴の順序を最後にするなどの配慮をします。

2.もし正常でない皮膚などから浸出液が出ている場合など、感染力がある期間に入浴することになった際は、浴室の利用後の換気及び手すりなどの消毒を徹底します。

 

◆まとめ◆

介護施設・事業所の感染対策は利用者の生活や命を守ります。安心と安全のサービスをするのと同時に、感染症対策を正しく理解しつつ実践してくださいね。