認知症介護基礎研修が義務化、資格の取り方は?
2022.09.14掲載
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必要資格

2021年度の介護報酬改正の際に義務化された新しい資格に認知症介護基礎研修があります。

2024年までには研修受講が完全に義務化になりますが、どのような方法で資格を取得するのでしょうか?また、2022年から資格の取得方法に変更があったようです。

そこで今回は、認知症介護基礎研修の資格の取り方や、資格の取得費用、資格を取得した後のキャリアパス(キャリアアップへのルート)をご紹介いたします。特に、認知症介護基礎研修の義務化はこれから介護のお仕事に就く事をお考えの方には知っていただきたい内容になっています。詳しく解説しますのでぜひ、お読みください。

 

 

◆認知症介護基礎研修とは◆

 

まず、義務化になった認知症介護基礎研修をご説明します。認知症に対する基礎知識やスキルを講習で学べる資格が認知症介護基礎研修です。介護事業所などで従事する無資格者、未経験の介護職員が対象者となります。 (医療・福祉関係の資格を取得している、無資格者がいない訪問入浴介護以外の訪問系サービス、福祉用具貸与・販売、居宅介護支援は対象者に入りません。) 介護の基礎的を学べる資格に介護職員初任者研修があるように、認知症介護基礎研修は認知症に対して基礎知識や基礎的なスキルを講習で学べる入門的な資格となります。

今まで介護の職場は資格がなくても働く事ができましたが、今後は介護に関連する資格がないと介護事業所などで働く事ができなくなります。ですが、3年間の経過措置が設けられているので今すぐ働けなくなる事ではありません。(2023年まで資格取得期間として設けられている。)

 

 

◆2022年度からの変更!認知症介護基礎研修の資格の取得方法◆

 

2022年度から、認知症介護基礎研修は原則としてeラーニングで学びます。パソコン、スマホ、タブレット端末などでWeb上にある講義動画や確認テストを24時間いつでも受講できます。以前のカリキュラムは講義と演習に分かれ、数パターンの受講方法がありました。講義をeラーニングで半日、演習を集合型の複合研修、全てeラーニングまたは、全て集合型で実施していました。

 

・カリキュラムの内容と資格取得の難易度

研修の内容は、認知症の人の基本的な理解と対応になります。難易度は、講義の各項の最後に確認テストがあります。この確認テストを合格しないと次の項に進めないシステムになっていますが、きちんと理解していれば解ける問題のようなので集中出来る環境で講義の受講が望ましいようです。

150分程度の動画受講と確認テスト合格で、修了証書が授与されます。

 

・気になる資格の取得費用は?

eラーニングでの受講費は¥ます。こちらも、以前は各自治体で違いがありましたがeラーニングでの受講料は一律となっています。

 

 

◆認知症介護基礎研修で学ぶ認知症とは◆

 

脳は病気や障害(いろいろな理由で脳細胞が死んでしまう、脳の働きが悪くなる。)により、記憶や判断力など認知機能が低下します。認知症とは、こういった日常生活に支障が出る状態をいいます。いくつか種類がありますが、もの忘れから発症するアルツハイマー型認知症が最も多いパターンです。脳神経の変性により脳の一部が萎縮する過程で認知症がおき、ゆっくりと進行していきます。その他にも脳血管障害(脳梗塞や脳出血などによる)による血管性認知症や、現実にはないものがあるように見える・手足が小刻みに震えるレビー小体型認知症などがあります。

もの忘れといった認知機能以外にも精神的な不安を感じ、一人になると怖がり寂しがるといった症状もあります。また、怒りっぽくなりよくイライラする、自分のものを誰かに取られたといった妄想の主張をします。

 

 

◆認知症介護基礎研修が義務化になった理由◆

 

今後ますます増え続ける認知症の方を、初めて介護職員として従事される方に理解を深め対応出来る必要性がある事から義務化になりました。

日本は世界で最も高齢者が多く、超高齢化が深刻な問題として挙げられます。2021年10月1日現在、高齢者は3619万人(高齢者の人口率は28.8%)です。介護保険制度で介護が必要になった主な原因の1位が認知症(17.6%)となっており、こちらも年々増加傾向になっています。(2019年国民生活基礎調査より)このまま増加すると65歳以上の認知症の方は2050年には約700万人になる統計もあります。(高齢者の5人に1人が認知症)

以上の事から超高齢化と、認知症の方の増加に伴い介護職員等と介護施設等で認知症ケアに対する質の向上が必要となったのです。

 

◆認知症介護基礎研修取得後のキャリアパス◆

 

認知症介護基礎研修で認知症の基礎的な知識や技術を学んだあとは以下のようなキャリアパスがあります。

認知症介護基礎研修

認知症介護実践者研修

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護指導者研修

 

認知症介護指導者になると自治体で開催される認知症介護実践研修など企画・立案に参画でき、講義、演習、実習を担当します。また、介護職員に対する人材育成に携われたり、所属する介護事業所などを中心に地域の認知症の指導者としての役割も担っています。認知症介護基礎研修の資格を取得後、規定の期間の勤務年数や、研修を受講するなどのキャリアを積む事で認知症介護のエキスパートとして幅広い活躍が出来ます。

 

 

◆認知症介護基礎研修のメリット◆

 

認知症介護基礎研修の資格の取得は今後義務化になりますが、資格を取得するするメリットがたくさんあります。

・認知症の方への理解が深まり適切なケアやサービを提供出来る。

・受講の期間が短くeラーニングになり受講しやすい。

・研修費用も他の介護の資格よりも安い。

・年々増加する高齢者、認知症の方を対象にした資格なので介護のお仕事に長く就ける。

・資格を取得後もキャリアを積む事で認知症介護のエキスパートとして幅広く活躍出来る。

 

 

認知症介護基礎研修の資格取得はメリットにも挙げましたが、認知症を理解し、適切なケアや技術は今後、介護のお仕事で働く上で重要になっていきます。研修はeラーニングで受講しやすく、研修受講後も認知症の方を対象とした支援のキャリアも積む事ができます。認知症介護基礎研修を受講された方や、介護職に従事する事を検討中の方で転職先または就職先を探しているのであれば、福島介護求人・転職ナビから介護のお仕事を探してみてください。