介護に関する資格は、いくつか存在しています。
数ある資格の中でも、介護職員初任者研修は入門的な資格として位置づけられています。
今回は、介護のお仕事に役立つ資格のひとつである介護職員初任者研修について詳しくみていきましょう。
◆介護職員初任者研修の資格について◆
はじめに、介護職員初任者研修がどのような資格なのか解説していきます。
介護職員初任者研修は、介護スタッフとして働くために必要となる基本的な知識や技術を身に付けられる資格です。
かつては、ホームヘルパー2級という名称でした。
介護のお仕事には、生活援助と身体介助の2種類があります。
生活援助は、掃除やベッドメイキング、買い物代行など日常生活におけるサポートを行います。
身体介助は、入浴や排せつ、食事など、介護を必要としている利用者に直接触れてサポートをするものです。
身体介助は、それぞれの状況に合わせた対応をしなければいけません。
そのため、専門的な知識や技術が必要になります。
生活援助と身体介助の両方を行えるようにするためには、最低限介護職員初任者研修を持っていなければいけないということになります。
◆未経験、資格なしでも取得できる?◆
介護職員初任者研修は、介護に関連する資格の中でも入門的な資格となっています。
そのため、介護に関する知識や経験がなくても問題なく取得できます。
介護のお仕事をしたことがない人でも理解を深められる講義と実際に体を動かして学ぶ実技実習により、介護業務において必要となる知識や技術を身に付けられるのです。
介護施設で働く場合は、資格の有無がそこまで関係ありません。
しかし、介護のお仕事のひとつである訪問介護員(ホームヘルパー)として働くためには、最低限介護職員初任者研修を持っていなければいけないという条件があります。
なぜかというと、施設ではスタッフ同士で分担して身体介助と生活援助をバランスよくこなせますが、訪問介護の場合は1人のスタッフでやらなければいけない範囲が身体介助と生活援助の両方にかかるからです。
生活援助しかできない無資格のスタッフだと担当できる家庭も限られてしまいます。
介護スタッフとして、幅府広い範囲のお仕事をしたいと考えているなら、取得しておくべき資格だと言えるでしょう。
◆介護職員初任者研修取得のメリットは◆
介護職員初任者研修は、国家資格などではないので取得する意味があるのかわからないと感じている人もいるでしょう。
そのような人のために、介護職員初任者研修を取得することで得られるメリットもご紹介します。
・お仕事の幅を広げられる
介護職員初任者研修を取得すると、生活援助だけではなく身体介助もできるようになります。
つまり、介護職が担うお仕事を全般的にできるようになるのです。
施設の場合は、無資格でも身体介助を行う場合があります。
しかし、資格を持っていないと専門的な知識や技術は身に付いていない状態だと言えます。
要支援や要介護1程度の高齢者の介護であれば、そこまで知識や技術は求められないケースが多いです。
しかし、介護度が重たくなったり、認知症による周辺症状が顕著に見られたりする高齢者の場合は、知識や技術が乏しいと上手く対応できない可能性があります。
関わる利用者にとって適切な対応をできるようになることも、お仕事の幅を広げる要因にひとつです。
・介護に関する知識を深められる
介護職員としてスムーズに業務を進めるためには、基本的な介護の知識も必要です。
体を上手く動かせない高齢者のサポートをする際などは、知識があった方が安全性も高まります。
それも、資格を取得しておくメリットのひとつだと言えるでしょう。
・上位資格を目指しやすくなる
介護資格の中でも入門的な介護職員初任者研修を取得しておくと、さらなる上位資格を目指すための礎になります。
介護職員初任者研修を持っていると、上位資格に当たる介護福祉士実務者研修を取得するための共通科目が免除されるため、負担軽減につながります。
将来的なステップアップを考えているなら、取得しておきたい資格なのです。
介護職員初任者研修を取得すると、このようなメリットを得られます。
やりがいのある介護職という仕事に携わり、将来的にステップアップを目指したいと考えているのであれば、ぜひ取得しておくべき資格だと言えるでしょう。
◆初任者研修と実務者研修との違いは?◆
次は、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いについてみていきましょう。
この2つの資格は、いずれも無資格で取得できます。
しかし、勉強するボリュームに大きな違いがあります。
介護職員初任者研修は10科目(およそ130時間)で、介護福祉士実務者研修は20科目(およそ450時間)となっているのです。
また、前者を取得すると身体介助ができるようになり、後者を取得するとサービス提供責任者としてお仕事ができるようになるという違いもあります。
基本的な部分から段階的に学びたいのであれば、介護職員初任者研修を取得後に介護福祉士実務者研修を目指すという流れがおすすめです。
◆資格があることで仕事の幅が広がる◆
介護のお仕事は、資格を持っていなくても従事できます。
そのため、無資格でありながら介護施設で働いている人も多く見かけます。
しかし、資格を持っていないとできるお仕事が限られてしまうため、最低でも介護職員初任者研修は取得しておきたいと考える人も少なくありません。
介護職員初任者研修を持っていれば、基本的な生活援助と身体介助の両方に関する知識が身に付けられるからです。
介護に関する専門的な知識や技術が身に付いていれば、介護度が重い高齢者の支援もしやすくなります。
さらに、全く資格を持っていない人よりも介護職員初任者研修を持っている人の方が、転職活動も有利になります。
訪問介護事業所や特別養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設など資格を活かせる場所はたくさんあるので、取得しておいて損はありません。
介護職という仕事は、やりがいが大きい仕事です。
施設に入所していたり、在宅で介護サービスを必要としていたりする高齢者を幅広く支援したいのであれば、資格を持っていた方が良いでしょう。
無資格の場合はまず介護職員初任者研修の取得がおすすめです。
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