介護の資格はたくさんありますが、ホームヘルパー2級という資格を聞いたことがある人はどのくらいいるでしょうか?
実際にホームヘルパー2級を持っているものの、介護職員初任者研修は持っていないことから取得し直さなければいけないのか不安に感じている人もいるかもしれません。
今回は、ホームヘルパー2級がどのような資格か、履歴書には書けるのか、といった点について解説していきます。
◆ホームヘルパー2級とは◆
ホームヘルパー2級は、「訪問介護員養成研修2級課程」が正式名称です。
介護関連の資格の中で入門的なものとして位置付けられていました。
訪問介護員を養成するために生まれた資格ですが、介護施設でも役立つ知識を身に付けられます。
自治体や民間の養成研修期間などが講座を実施していました。
ホームヘルパー2級の講座は、講義と実技の2種類です。
さらに、介護施設で行う実習もカリキュラムに含まれています。
研修の合計時間は130時間でした。
◆初任者研修=ホームヘルパー2級?!◆
現在、ホームヘルパー2級という資格はありません。
2013年4月からホームヘルパー2級は廃止となり、新たに介護職員初任者研修が生まれました。
ホームヘルパー2級よりも研修内容が拡充され、訪問介護以外でも実践的に使える研修を実施するようになったのです。
内容的にはより充実していますが、ホームヘルパー2級と同等の資格だと思って良いでしょう。
介護職員初任者研修へと変更された理由は以下の通りです。
・キャリアプランをわかりやすくするため
ホームヘルパー2級だった頃は、介護業界における資格を持っていてもキャリアパス制度が充実しておらず、仕組みが整っていませんでした。
そのため、ホームヘルパー2級に限らず、それぞれの資格が独立した状態になっていました。
しかし、それでは長期的なスパンで見たキャリアプランがイメージしにくく、介護職員初任者研修へと変更されたのです。
日本は、少子高齢化が深刻化しているため、介護職員の需要はさらに高まることが予想されます。
人手不足を解消するために、介護職員初任者研修を最初のステップとしたキャリアパスを明確化する仕組みが作られたのです。
長く介護職に従事するモチベーション維持はもちろんですが、専門性とサービスの質の向上にもつながると考えられます。
介護職員初任者研修を修了した人は、介護職員実務者研修、介護福祉士、認定介護福祉士、ケアマネジャーといった資格を取得してスキルアップを目指すケースが多いです。
従来よりもそのキャリアパスが明確になり、介護職員として長く働きたいと感がる人が増加することも期待されています。
・優秀な人材の育成を目指す
介護の需要はどんどん高まっていて、ニーズも多様化しています。
多様化するニーズに応えるためには、ただ人材を確保すればいいというわけにはいきません。
高度な介護や多様化するニーズに応えられる人材を確保しなければいけない状況が目前に迫っています。
そのためには、優秀な人材を育成することから始めなければいけません。
介護職員初任者研修はホームヘルパー2級よりもより深い部分まで学べるようなカリキュラムになっているため、高度な介護や多様化するニーズに応えられる人材を育成する第一歩となります。
介護職員初任者研修は、このような理由から新しく創設されました。
介護業界における人材確保は現在も大きな課題になっていますが、今後も簡単に解決する問題ではないと考えられます。
そのような中で、少しでもレベルの高い知識を持つ介護職員を養成し、高度な介護や多様化するニーズにも応えられる体制を整えることが重要なのです。
◆ホームヘルパー2級と初任者研修の相違点◆
続いて、ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の相違点についてみていきましょう。
・カリキュラムの違い
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は、カリキュラムが根本的に異なります。
講義は58時間から40時間に減りましたが、実技の時間は42時間から90時間と大幅に増えました。
ホームヘルパー2級は在宅サービスに重きを置いた内容になっていますが、介護職員初任者研修は在宅だけではなく施設介護でも活かせる知識が盛り込まれた内容です。
そのため、現場で活かせる実技の時間を増やしたのだと考えられます。
また、「認知症の理解」という項目はホームヘルパー2級にはありませんでした。
このことから、ホームヘルパー2級よりも、幅疲労状況に対応できる人材を育成する資格へと進化したと言えます。
・施設実習の有無
ホームヘルパー2級では、施設実習が4日間行われていました。
しかし介護職員初任者研修は、施設実習がカリキュラムに含まれていません。
施設によって実習の内容に偏りがあったことが、廃止された理由の1つとなっています。
・筆記試験が導入された
ホームヘルパー2級は、講習を全て受けていれば誰でも取得できました。
それに対して、介護職員初任者研修では筆記試験が導入されています。
筆記試験をクリアしなければ取得できないのは、この2つの資格における大きな違いです。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修には、このような違いがあります。
実習と筆記試験の有無が大きな違いとなっていますが、学べる内容は介護職員初任者研修の方が遥かに充実しています。
◆履歴書に書いてもOK?!◆
現在、ホームヘルパー2級という資格はありません。
それでは、ホームヘルパー2級の資格を所有している人はどうなってしまうのでしょうか?
また、ホームヘルパー2級という名前で履歴書に書いても問題ないか気になる人もいるでしょう。
結論を言ってしまうと、履歴書に書くことは可能です。
ホームヘルパー2級は、名前が変わっただけで無効になったわけではないからです。
履歴書には、正式名称の「訪問介護員2級養成研修課程修了」もしくは「ホームヘルパー2級修了」と記載しましょう。
資格の内容やカリキュラムは違いますが、介護における基本的な資格として認識されているのはどちらも同じです。
ただし、ホームヘルパー2級を持っている人が「介護職員初任者研修修了」と書くことはできないので注意しましょう。
ホームヘルパー2級は、現在は取得できない資格です。
同じような介護の入門資格を取得したいなら、介護職員初任者研修を受けることになります。
名称やカリキュラムの内容こそ違いますが、立ち位置的には同じです。
ホームヘルパー2級を過去に取得している場合は、それが無効になるわけではないため、履歴書にも問題なく記載できます。
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