定年後から始められる仕事と言えば、介護職が人気です。
介護職は前職を気にすることなく仕事を始められるため、定年後に就職をする多くの人々が視野に入れて考えています。
特に必要な資格やスキルなどはなく、始める上での条件も定められていないことから、年齢を問わず活躍できる仕事として知られています。
そこで今回は、介護職が年齢にとらわれることなく活躍できる理由についてご紹介します。
◆介護職員の年齢層◆
日本の労働環境で大きな課題となっているのは、あらゆる業界における深刻な人材不足です。
十分な人材を確保できず、経営を継続するのが困難になってしまい、廃業に追い込まれる施設や事業所も少なくありません。
今回ご紹介する介護業界でも、人材不足は一つの課題となっています。
ここでは、まず働く職員の年齢にスポットを当てて説明していきます。
日本では高齢化が進んでおり、介護業界においても介護士の高齢化が加速している状況です。
厚生労働省の「令和元年度介護労働実態調査」によると、男性では30~39歳が最も多く、次いで40~49歳の割合が多いです。
一方、女性では40~49歳が最も多く、次いで50~59歳が多いという調査結果が出ています。
このようなデータを見ると、改めて職員の高齢化が進んでいると分かります。
介護職では年齢制限が設けられておらず、その上現場で働く職員の年齢層も高いため、定年後に働いたとしても職場で浮くようなことはありません。
しかし、介護職未経験、無資格であった場合、新しい仕事に挑戦することに対して不安な気持ちを抱く人も多いはずです。
高齢化が加速する中、十分な人材確保を目的に介護業界では、ミドル層からシニア層までの幅広い世代の人々を雇用する動きが広まっています。
では、一体なぜ若年層ではなく、ミドル層や定年を迎えるシニア層の雇用を積極的に実施しているのでしょうか?
◆経験や年齢がプラスに働く理由◆
年齢をハンデに感じる人は多いかもしれませんが、実は意外と知られていないメリットがあります。
年齢のせいで仕事を始められないと思っている人は、一度考え直してみましょう。
ここでは、経験や年齢がプラスに働く理由についてご紹介します。
シニア層ならではの強みがあるため、定年を迎えて就職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
・これまでの経験が現場で活きる
介護職は人と向き合う仕事であるため、利用者本人のみならず、その家族や共に働く職員とも密接に関わっていくことになります。
これは社会経験がまだ浅い若年層よりも、倍以上の社会経験を積んできたシニア層の方が有利だと言えます。
また、前職やこれまで培ってきたスキルやノウハウを仕事に活かせるのも、シニア層ならではの強みです。
社会人としてのマナーがしっかり身に付いているため、利用者を不快な気持ちにさせないような対応ができるのも大きなメリットです。
さらに、仕事面ではもちろん、子育てや近所・親戚付き合いなどで培ったスキル、コミュニケーションなども介護職員として働く上で大切です。
・近い価値観を持っている
施設を利用している高齢者は80代前後の人が多く、シニア層の親世代の年齢だと考えられます。
自分の親と同じ世代であれば接しやすく、関係を築くのにもそう時間はかかりません。
若年層の職員では分からない話題や知らない遊びでも、年の近いシニア層であれば知っている可能性も高いため、コミュニケーションが取りやすいです。
実際に利用者と近い価値観を持っていることも多く、寄り添った介護ができるようになります。
普段の何気ないコミュニケーションから信頼関係は築かれていくので、定年後に始めることに対して得られるメリットは大きいと言えます。
利用者からの信頼を得るためには、親身になって話を聞くことが重要です。
・柔軟性のある働き方ができる
20代、30代の子育て世代は働ける時間に限りがあり、場合によって急遽出勤できなくなったり、早退しなければいけなかったりします。
シニア層は若年層と違って時間に融通が利くため、これまでよりも柔軟性のある働き方が可能です。
小さな子どもがいる家庭では保育園の送迎時間の関係で、比較的早い時間に退勤する人もいます。
また、託児所などで預かってもらえず、出勤できない日がある可能性も考えられます。
年齢を重ねて体力に自信がなくフルタイムで働けなかったとしても、自分しか入れない時間や欠勤でスケジュールに穴が開いてしまった時間枠を埋めることによって、大きな社会貢献につながるはずです。
自分の年齢だからこそできることを見つけて、貢献してみてはいかがでしょうか?
◆定年後介護職を始める際の注意点◆
この業界では特に年齢制限は設けられていませんが、シニア層が定年後に介護職を始める上で注意しなければいけないのは、体力面での問題です。
介護の仕事は体が資本と言われるほど、体力が必要とされる職種です。
そのため、定年後に始めるとなるとかなり大変なのではないかと考える人も少なくありません。
そこで注意すべきなのは、頑張ればできるからと言って無理にするのではなく、自分の体に負担がかからない範囲で仕事をしましょう。
怪我をしてしまえば元も子もないため、自分の能力以上の仕事は無理して行わないようにしましょう。
疲れた体を癒すためにも、日頃のメンテナンスは怠らないようにしてください。
また、社会では年齢に関係なく、先に現場で働いている職員が上司となるため、自分よりも若い職員に指導や注意を受ける可能性が十分にあります。
介護の現場では職員のチームワークが非常に重要となるため、お互いを尊重し合いながら仕事に取り組まなければいけません。
相手よりも年上だからといって横柄な態度を取るのは避けましょう。
常に謙虚な姿勢で臨むことが大切です。
今回は、介護職が年齢を問わず活躍できる理由についてご紹介しました。
実際に現場では多くの中高年世代の職員が活躍しているため、定年後に新たな仕事を始めるのが不安だと感じている人にもおすすめの職種です。
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