気を付けて!「夜間熱中症」の怖さと対策
2020.08.24掲載
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介護・福祉の情報

今年もまた、暑さの厳しい季節がやってきました。ジリジリと強い日差しに、高い気温…。特に今年は静岡県浜松市で日本最高気温を記録しており、日中熱中症の対策をしている方も多いのではないでしょうか。
でも実は、熱中症は日中だけではなく夜こそ注意が必要なんです。今回は、睡眠中の熱中症とその予防について解説していきたいと思います。

 どんな環境で起こる?夜間の熱中症

記録的な猛暑が続く中、熱中症で病院に搬送される方が相次いでいます。福島県では、8/10~8/17の間で熱中症で搬送された方の数は235人。またその内、154人が65歳以上の高齢者で全体の6~7割を占めており、夜中から朝方にかけて搬送されるというケースが増えているようです

夜間熱中症を引き起こす環境とは?

「夜間熱中症」の原因は、主に下記2点です。

① 昼間に壁や天井が暖められ、蓄えられた熱が夜に放射熱となり室温が上昇する

夜は日が沈み気温は下がります。ですが、昼間に壁や天井が暖められ、蓄えられた熱が放射熱となり、室温を高くしてしまうんです。夜間は熱中症にならないと思われている背景には、「夜は日照がなく、気温が下がるので安心!」という誤った思い込みがあります。

② 睡眠中は水分が補給されず排泄のみとなるため、脱水状態になりやすい

生活シーンでは、体温上昇を抑える機能として「発汗」があります。さまざまなスポーツで多量の汗を失うのは予想できますが、睡眠中は知らないうちに汗が蒸発し、冬でも200ml前後、熱帯夜には500ml以上と、想像以上の水分を失っています。夜間に起こす熱中症は、思わぬ危険性があります。熱中症の初期症状といえば、めまいやほてり、筋肉の痙攣、だるい、汗のかき方がいつもと違う(拭いても拭いても出る、もしくは全く出ない)、体温が高い等。意識をしていれば、「もしかしたら熱中症?」と思える症状があります。
日中はその症状に気付くことができますが、睡眠中はなかなか気付ける症状ではありません。そのため、気付いた時には重症化しているケースもあり、熱中症で亡くなる方の3割以上が夜間に死亡しています。

また、夜間熱中症になる人のほとんどが睡眠中にエアコンをつけていません

たしかに昔はここまで暑くなかった気がします。薄着、扇風機で乗り切れた為、“冷房なんてつけなくても大丈夫”とマインドセットされている方も多く、令和になった今、この考え方は変えなくてはなりませんね。

今日からできる睡眠中の熱中症予防

①睡眠環境を整える

人が快適に眠るには、温度26~28度、湿度50~60%の環境が良いとされています。設定温度と室温は同じにはなりませんので、温湿度計を枕元に置き、快適に眠れた日の設定を確認できると良いですね。また、タイマーを2~3時間に設定して切るという方も多いですが、暑さが睡眠の妨げとなる為、朝までぐっすり眠る為にエアコンはつけっぱなしを推奨しています。

② 入眠前、起床時の水分補給

冬であっても寝ている間にコップ1杯分は汗をかきます。この時期、2~3杯分はかいているのではないでしょうか。
熱中症だけでなく、起床時の脳梗塞を予防するためにも、入眠前と起床時の水分補給は重要なポイントです。各コップ1杯分(約200ml)を目安に補給しましょう

眠っている間の熱中症は、症状を自覚できないからこそ「予防」することが大切なのです。日々の暑さで疲れやすく、体調を崩しやすい季節ですが、十分な睡眠と水分補給を忘れずに、元気に過ごしたいものです。