「くるみん認定」とは??
2020.07.03掲載
  • Facebook
  • Twitter
  • Line
介護・福祉の情報

くるみん認定とは?

くるみん認定(以下、くるみん)は、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業を認定する制度です。
「次世代育成支援対策推進法」という法律に基づいて厚生労働省が実施しています。
くるみんの認定を受けるためには、

  • 一定水準以上の育児休業取得

  • 育児に伴う時短勤務制度の設置

など、10の要件からなる「くるみん認定基準」を満たす必要があり、認定企業にはくるみんマークが付与され、自社製品やホームページ、求人広告などにつけることができます。
このような点から、くるみんは子育てサポート企業として国の認定を受けた証と言い表すことができるのです。

≪POINT≫

・くるみんは子育てサポート企業を証明する厚生労働省のお墨付きである
・認定を受けるためには10の認定基準を満たす必要がある
・認定マークは、商品やホームページ、求人広告などにつけることができる

 

くるみん認定企業は年間200社以上増加

子育てサポート企業として認定を受け、くるみんを取得する会社は年々増加しています。

2007年度に428社だったくるみん認定企業数は、年ごとに200~300社のペースで増加し続け、2018年には12月の時点で3,000社を超えるまでに至っています。くるみんマークや企業の子育て支援に対する注目が高まっていることが伺えます。

≪POINT≫

・くるみん認定企業数は年200~300社のペースで増加している
・企業の子育て支援に対する注目は高まりを見せている

 

くるみん設立の経緯

厚生労働省がくるみんという認定制度まで立ち上げて企業の子育て支援を強化している背景には、長年にわたって続く少子化に大きな理由があります。
ご存知のとおり、日本における出生数は減少傾向にあり、30年以上にわたって合計特殊出生率が2を上回った記録がありません。人口の減少は国力の低下に直結する大きな問題です。

出生数減少と働き方の関係

出生数の減少の背景には、未婚化や晩婚化だけでなく、子どもを産まない夫婦が増えていることも原因として挙げられます。彼らが子どもを持たない理由の1つとして、子どもを生むことで特に女性が仕事を離れなければならない状況となっていることに原因があります。一方で仕事を離れれば世帯収入が減り子どもを育てることが難しくなる。このジレンマにあるからこそ子どもを持つことに抵抗を覚える夫婦が増えているというわけです。
また現役世代が減少していく現代において、女性が子育てに伴い退職することは貴重な働き手を失うことになります。1億総活躍時代を掲げている行政府としてもこのような傾向は好ましくないと言えるでしょう。

法律により子育て支援は企業の義務に

このような問題を受けて、2003年に成立・施行されたのが「次世代育成支援対策推進法」、通称・次世代法です。この法律では、常時雇用している従業員の数が100人を超える企業は、従業員の子育て支援について計画を策定し、厚生労働大臣に届け出なければなければならなくなりました。企業にとって子育て支援は義務となったのです。
ただし現状としては義務を怠っても罰則がありませんので、実質的な強制力は無いも同然です。そこで、子育てサポートに関する計画を策定し、実際に高い水準を満たした企業に対して国のお墨付きを与えることで、産業界における子育て支援を促進させようとしているのが、くるみんが生まれた背景なのです。ちなみに従業員が100人以下の企業でもくるみんマークの取得は可能です。

働き手も子育て支援を求めている

長時間労働やサービス残業の有無、有給の取りやすさなど定番の項目に次いで、結婚後も働きやすいかどうかが3位に入っており、実に半数近くの就活生が気にしていることがわかります。家庭生活という意味では、労働時間や有休に関する関心も結婚生活を見越したものが入っていると考えても不自然ではありません。つまり貴重な若い働き手も子育てしやすい職場に就職することを強く望んでいると考えられるのです。超売り手市場の現在、彼らの価値観に沿った職場づくりは企業存続における重要な課題となるでしょう。
現代の企業は、国と働き手、その両方から子育てに配慮した職場づくりを求められているのです。

≪POINT≫

・くるみん設立の大きな理由は長年にわたる出生率の減少
・法律の制定によって企業は子育て支援に関する行動計画を作成する義務がある
・若い働き手も子育てに配慮された職場を重視する