介護技術の上達に必要な3つの要素
2020.04.27掲載
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介護・福祉業界

 これから介護を始めるあなたにちょっと耳寄りな情報です。筆者(介護経験10年)が新入職員や実習生の指導の時に必ず伝える3つのこと、今回はご覧のあなたにだけ、特別に教えちゃいます。今回はオムツ交換を例にとって説明していきます。短いですがとても大事なことですので、是非ご一読下さい。

 

早く行うことと急ぐのは全く別

 排泄介助中は利用者さんが陰部を晒すことになるので、当然ながら介護の中でも一番にプライバシーに関する配慮をしなけなければなりません。先輩職員さんのやり方を見て、頭の中ではなんとなく出来たとしても、実際に利用者さんを目の当たりにすると焦ってしまい、最初はうまく出来ないものです。筆者だってそうでした。焦れば焦るほどオムツがうまく当たらず、何度も何度も付けては外しを繰り返しがちですよね。あるいは、先輩職員の目が気になってどうしても急いでしまうこともあるかと思います。でも焦りは禁物です。まずは目の前の利用者さんのオムツ交換するというミッション遂げるために焦らずゆっくり行いましょう。早さは慣れれば自然についてきます。

 

何事も丁寧に

 何度もオムツ交換を行って、早さも身についてきたら起こる問題。それは介助が雑になってしまうこと。特に一番問題なのは、介護員本人は何の気なしにやっていることでも、利用者さんが「この人雑だな」「痛いな」「苦しいな」と思ってしまうこと。他人の体に触るのですから信頼関係が何より大事であるはずなのに、介助一つが雑だっただけで不信感を持たれてしまいます。そりゃそうですよね、相手だって人間なんですから。嫌な思いをすれば信じられなくなる、任せられなくなるのも当然です。何事においても迅速な対応は必要ですが、それが結果的に利用者さんを苦しめるようなことがあってはいけません。一つ一つの介助に声を掛け、利用者さんの表情を伺いながら、自分ならどうしてほしいのかを考えそれを反映する。速さも大事ですが、その前に丁寧に行うことを心掛けましょう。

 

正確に行うことの大切さ

 介護の仕事をしていると、利用者さんのオムツから尿や便が漏れているのをよく見かけます。排尿量が多かったりお腹が緩かったりするとどうしても鼠径部や背中からの伝い漏れにつながってしまいます。でも漏れの原因としてそれと同じくらい多いのは職員のオムツの当て方の問題です。オムツが斜めになっていたり、パットが折れ曲がっていたりすると漏れの可能性も増えます。それは職員の手間になってしまうことはさることながら、利用者さんにとっても負担ですよね。だから丁寧にやることももちろん必要ですが、最終的に求められるのは、正確に行うことになります。

 

まとめ

 医療技術は日進月歩ですが、介護技術に関してはここ十数年で大きな変化はありません。ご自身も早く職場の一員として役に立ちたいという気持ちも生まれるでしょう。そんな時には是非本稿を思い返してみて下さい。介護技術を上達させようと思ったら、「正確に」「丁寧に」「早く」。この順番を意識して日々の業務に取り組めば、介護技術はすぐに上達するでしょう。そして数年経ってあなたが先輩職員となるとき、同じようにこの3つを意識して指導してみて下さい。後輩が介護技術の上達でぶつかった壁は、先輩職員となるあなたが一番に理解してあげられる存在になれたらいいですね。