利用者様・家族との{接し方}
2019.12.16掲載
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介護・福祉業界

ご家族と信頼関係を築くためのコミュニケーション方法

介護職には、専門知識や介護技術のほかに高度なコミュニケーションスキルが必要です。ご利用されるお客様だけではなくご家族とも信頼関係を築くために、プロとして求められる「接遇・マナー」を身につけましょう。

最近では、介護の現場にも「接遇」という言葉が浸透してきました。「接遇」とは、「ホスピタリティ(思いやり・おもてなしの心)を持って接すること」です。

介護施設では、お客様お一人おひとりのニーズや状況、変化に応じた細やかなケアが求められます。お客様やご家族とのコミュニケーションにおいても、マニュアル通りではホスピタリティを伝えることはできないでしょう。

しかし、思いやりの心さえあれば相手が好印象を持つとは限らないのがコミュニケーションの難しいところです。思いやりの心があっても、たとえば服が汚れていたり無表情だったりしたら、相手は不快に思うかもしれません。また、話す声が小さすぎたり口調が強すぎたりしたら、相手は不安を覚えるかもしれません。
思いやりの心は、装いや表情、態度などで表現しないと相手にうまく伝わらない場合があります。「どのようにしたら心地よく感じていただけるか」を考えるときは、このことを念頭に置くことが大切です。

信頼関係の基礎となるのは、身だしなみやあいさつ、言葉遣いなどの「マナー」です。忙しい毎日の中では、このような基本的なことをつい疎かにしがちではないでしょうか。来訪されるご家族は、スタッフの立ち居振る舞いをしっかりと見ています。常に「見られている」という意識を持ち、ご家族と接するときは基本のマナーにホスピタリティを添えましょう。

マナーの基礎知識

身だしなみ

清潔感のある髪型や服装を心がけ、口臭・体臭にも気を配りましょう。女性は派手すぎないナチュラルメイクを心がけ、長い髪は束ねます。アクセサリー・マニキュア・香水は控えましょう。男性は、不潔な印象を与える無精ひげに注意します。

あいさつ

初対面のときは自分の名前(フルネーム)と役割を伝えて、きちんとあいさつをします。明るい笑顔と親しみやすい雰囲気も忘れずに添えましょう。ご家族に安心していただくために、できるだけ同じスタッフが応対することも大切です。

おじぎ

誰かとすれ違うときは必ずおじぎをしましょう。背筋をのばし、首ではなく腰から上体を傾けることがポイントです。女性は両手を前でそろえ、男性はズボンの両脇におきます。会釈(約15°)・敬礼(約30°)・最敬礼(約45°)を適切に使い分けましょう。

言葉遣い

正しい敬語を使い、言葉遣いには敬意や思いやりを込めます。「食べれる」「起きれる」等の「ら抜き言葉」や幼児言葉、なれなれしすぎる話し方などには注意が必要です。専門用語はなるべく避けて、分かりやすい言葉に言いかえます。クッション言葉(「失礼ですが」「恐れ入りますが」「差し支えなければ」など)も上手に活用しましょう。