介護職員人材不足について
2019.11.29掲載
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介護・福祉業界

高齢化率がさらに高くなっていく日本では、介護人材不足が深刻化しています。

経済産業省によると、少子高齢化がさらに進むと、将来、65歳以上の高齢者の人口率が高くなり、とくに、85歳以上の人口増加が大きくなると推計されています

介護人材不足の背景

介護分野の有効求人倍率は全産業に比べて高い水準で推移しています。介護人材が不足している理由として、介護サービス事業所における人手不足感と給与水準の低さがあげられます。

介護職員の離職理由として割合の多い「収入が少ない」に関しては、介護職の給与水準の低さがあります。産業別の平均賃金をみると、産業計は33万3,800円、医療業は34万9,300円、サービス業は42万600円に対し、社会保険・社会福祉・介護事業は24万9,800円と介護分野の賃金水準は他の産業と比べて低い傾向にあります。また、ホームヘルパー、福祉施設介護員と同じ医療福祉分野における他職種の平均賃金と比べても介護職員の給与額は低い傾向にあります。

 介護人材の確保のため、介護職の給与水準の改善の手立てとして、政府は介護職員処遇改善加算の実施・見直しを図っています。

介護人材確保の対策

介護人材確保に向け、多様な介護人材の参入促進、介護職員の労働環境と処遇改善、介護職員の資質向上のための施策が練られています。

多様な介護人材の参入促進

中高年齢者や他産業に従事する人など、介護未経験者の参入促進や、介護福祉士を目指す学生を増やすことなど、多様な介護人材の参入促進を図ることが必要とされています。

介護職員の労働環境・処遇改善

資格取得の支援や、離職している介護経験者の復職を促すこと、研修の機会を設けるなど、キャリアパスの構築を推進することと、月額の賃金の改善や退職手当の見直し、女性の出産・育児との両立を支援すること、介護ロボットやICT(情報通信技術)の活用を推進し、介護職員が長く働ける環境を整えることへの対策が掲げられています。

介護職員の資質向上

介護福祉士の資格取得方法の見直しや、介護福祉士の配置が多い施設を評価すること、マネジメントやケアに関する研修の受講を支援し、専門性を高くして継続的に質の向上を促すことと、能力や役割分担に応じて機能分化を図り、限られた介護人材を有効に活用することが実施・検討されています。