介護の5Kとは?
2019.09.30掲載
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介護・福祉業界

介護をする上で必要なおむつ交換や排泄介助では、どうしても他人の排泄物を目にしなくてはいけません。食事介助でも同様に、食事中によだれが止まらない人や、食べこぼしが多い人も見られます。これらを「汚い」といって避けて通ることはできませんが、なかなか割り切れない人も中にはいるようです。

今、介護の仕事は5K(危険、汚い、きつい、暗い、臭い)等といわれます。それだけ、介護の 現場は厳しい状況であることは否めません。  

しかし介護を必要とする人々は、今後さらに増加していきます。皆さんは、少子高齢社 会について学んでいると思いますが、日本の平均寿命は世界の中でもトップレベルとい う長寿の国となっています。このように平均寿命が延びた事は喜ばしいことですが、 2009年度現在、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)は22.7%であり、 超高齢社会といわれています。しかも出生率は年々減少し、高齢者を支える世代が少な くなっているのです。高校生のあなた方の40年後、家庭をもち、子どもを育て充実した中 年期を過ごすであろう頃、なんと65歳以上の人が三人に一人になると予測されています。 単純に考えて、あなた方は子どもの教育と親の介護問題に直面する世代となるのです。し かし現在の日本の住宅事情、家族構成、女性の就業その他の状況から考えて、いかに親 を大切に思っていても、自宅で介護することは難しいのではないかと思われます。ですか ら、「介護」は個人の問題でもあり、日本の将来の大きな課題ともなるのです。  人は生まれ、育ち、愛し合い、慈しみ、誰もが年老い、病気になり、やがて人生を終えま す。その「人生」を大切に見守り、その人らしく豊かに過ごしていただくための「介護福祉」 の役割がいかに重要かについては、いうまでもありません。介護は「人」が相手の仕事で あり、「人」の人生にかかわる仕事ともいえます。 この介護の現場では、今、新しい風が吹き始めていることを感じています。それは単純 に「人」の世話をする介護でなく、「人」から学び、感動し、共に大きく成長している人々の 存在です。 

 

その人たちをイメージし、「介護の5K」を以下のように考えたいと思います。   

好奇心」個人や社会、制度に対して関心をもち、現状に甘んじることなく、   

観察力」一人の人を知るために、しっかりみつめ、共感とともに感動を覚え   

行動力」必要なことを実現するために、行動できる力をもち、さらに創意工夫し   

謙虚なこころ」そして、相手から学ばせていただいたという感謝をこめ、   

向上心」知識や技術を高め、職業倫理を深めるために自己研鑽を重ねる