社会福祉法人とは?医療法人との違いは?
2019.10.28掲載
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介護・福祉業界

医療・介護・福祉事業の運営母体である「社会福祉法人」「医療法人」。

よく目にすると思いますがそれぞれの特徴や違いはご存知ですか?

他にも「NPO法人」「有限会社」「株式会社」「合同会社」など見たことある方も多いはず。

ここではい組織の違いや特徴などを解説していきます。

 

社会福祉法人

社会福祉法人とは、社会福祉法に基づき設立されるもので、「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」と定義されます(社会福祉法第22条)。社会福祉法人の設立には、事務所がある都道府県(政令指定都市や中核市の場合は市)の認可が必要です。

社会福祉事業の内容も定められており、第一種社会福祉事業として「特別養護老人ホーム」「児童養護施設」「障害者支援施設」「救護施設」などが含まれ、第二種社会福祉事業に「保育所」「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」などが含まれます。また、社会福祉法人は、公益事業として「子育て支援事業」「入浴、排せつ、食事等の支援事業」「介護予防事業、有料老人ホーム、老人保健施設の経営」などを行うことが認められています。

社会福祉法人には、地域の多様な福祉ニーズにきめ細かく対応するだけでなく、社会的な支援が必要な人に対し、継続的にサービスを提供していくことが求められています。そのため、社会福祉法人が行う社会福祉事業は、特に継続性・安定性が重要視されています。

社会福祉法人で働くメリットは、介護や保育など、特定のスキルをのばしていけること。介護や福祉についての広い視野が得られ、プロフェッショナルを目指すことができます。それぞれの分野でスキルアップすれば、介護なら社会福祉士やケアマネージャーなどの資格が取得でき、業務の幅を広げることができます。

ほとんどの社会福祉法人は、地域に密着して運営しているため、異動があっても遠方への転勤などがなく安定して働くことが出来るのも魅力の一つです。

 

医療法人

医療法人は、医療法の規定に基づいて設立される法人です。医療法の39条には「病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする社団又は財団」と定義付けられています。医療法人は人集まりを基盤とした組織(社団)と財産を運営するために作られる法人(財団)の両方を設立することが出来ます。医療法人という場合は医療法人社団を指していることが多いようです。医療法人が運営するのは基本的に病院や診療所、介護老人保健施設などです。

最近では介護予防のためのリハビリテーションや通所介護などのほか、社会復帰を目的とした福祉サービスなどを行う医療法人も増えています。

医療法人で働くメリットは、なにより医療知識が身につけられること。福祉分野における医療との連携についての経験も積むことができます。知識の幅を広げ、さまざまな分野の考え方を身につけたい方にはピッタリです。

 

株式会社

株式会社は、一般の企業と同じく営利を目的の1つとする運営組織。

福祉分野への参入は比較的新しいのですが、事業の目的が幅広く自由に設定できるため、これまでの施設とは異なる視点のサービスで人気を集めている施設も多いのが特徴です。

株式会社で働く場合のメリットは、研修体制が整っていたり、福祉事業以外の実績や経験を活かした業務手法などに触れることができるという点です。新規事業所を増やす場合の立ち上げなどに関われるだけでなく、事業所の経営に携わる場面も出てくるかもしれません。施設の運営や開業を目指す人にとっては、現場と運営の両方を学べる場所といえるでしょう。