新たに創設された「共生型サービス」とは?
2023.03.01掲載
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介護・福祉業界

介護保険法改正によって、2018年からサービスが開始された「共生型サービス」

障害福祉サービスと介護保険サービスを同じ事業所や施設で提供できるようになります。高齢化や、人材不足の解消など改正した背景にはあるようです。新しいサービスなので介護のお仕事に従事されている方でも、分からない点があるかと思います。

そこで今回は、新たに創設された「共生型サービス」について詳しく解説してます。介護のお仕事をしている方、これから介護のお仕事に携わる方にも知ってほしい内容です。ぜひ、最後までお読みください。

 

 【進む高齢化社会で考えられた共生型サービス】

「共生型サービス」を活用すると、同じ事業所で障害福祉サービスと介護保険サービス、両方の提供ができます。2018年に制定された新しいサービスです。共生型サービスができるまでには、ご利用者様に以下の問題点が挙げられていました。

 

◎障害者が65歳以上になり同じ事業所の利用ができなくなる◎

介護保険サービスは原則65歳以上の高齢者が利用できるサービスです。例えば、障害をお持ちの方が65歳になるまでに障害福祉サービスを利用し、デイサービス相応の施設に通っていたとします。改正前なら、65歳になると長く通っていた慣れ親しんだ事業所から、介護保険のデイサービスに移ることになります。施設を変えることで起こる2つの問題点がありました。

・ご利用者様はまた最初から人間関係を作らなくてはならない。

・仲良くしていた前事業所の方々との別れよにり精神的な負担が多くなる。

「共生型サービス」導入で問題解消につながるようです。

 

 ◎事業所のサービスの質の向上も目指せる◎

「共生型サービス」により、事業所側も一カ所でサービスを提供した方が、質のいいサービスの提供が見込めます。障害福祉サービスか、介護保険サービスどちらかの指定を受けている場合、片方のサービス基準を満たしていなくても指定を受けやすくなるのです。運営が一カ所で出来ると、コストダウンや業務効率アップに繋がり、充実したサービスが提供できるようになります。

通所デイサービスになると、障害児と高齢者が一緒のフロアで過ごすことができます。コミュニケーションをとったり、助け合うといった「お互い様=相互」が生まれるようになります。

「介護」「障害」といった枠組みがあると、多様化している福祉ニーズに対応ができない問題がありました。しかし改正後は、提供するサービスに幅を持たせることに期待が持てます。

事業所の職員が提供するサービスの質の向上だけではなく、ご利用者様の心の面にも豊かなものを提供できそうです。

 

◎人材不足の解消◎

障害や介護のサービスの需要はありますが、人口減少によりサービスの提供が難しくなることが問題になっています。「共生型サービス」導入により人材不足の解消もできる見込みです。指定申請を受けた、2つの機能がある同一事業所だと人材を有効に活用できます。地域の実情に合わせたサービスが提供できる、人材の確保も可能になります。

 

◎「共生型サービス」の指定申請ができるもの◎

「共生型サービス」では、3つのサービスが指定申請できます。デイサービス・ショートステイ・ホームヘルプです。障害福祉・介護保険サービス内容や人員配置にそれぞれ違いがあります。これからお仕事を考えている方もぜひご覧ください。

(参考厚生労働省:共生型サービスの対象となるサービス、共生型サービス報酬・基準より)

 

♦デイサービス♦

 

【障害福祉サービス】・・・生活介護(主として重心身障害者を通わせる事業所は除く)・自立訓練(機能訓練・生活訓練)・児童発達支援(主として重心身障碍児を通わせる事業所を除く)・放課後等ディサービス(主として重心身障碍児を通わせる事業所を除く)

◎人員配置◎

・サービス管理責任者(実務経験3~10年+研修5時間):利用者数60人まで:1以上、利用者数60人を超える部分:40:1(常勤1以上)

・看護職員・理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数

平均障害支援区分4未満:6:1

平均障害支援区分4以上5未満:5:1

平均障害支援区分5以上:3:1

・生活支援員:1人(常勤1以上)

・看護職員:1人

・理学療法士又は作業療法士:必要数

 

【介護保険サービス】・・・通所介護、地域密着型通所介護

◎人員配置◎

・生活相談員(社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事等):1人

・介護職員:5:1(利用者15人まで、1以上で可・常勤1以上)

・看護職員:1人(定員10人以下では不要)

・機能訓練指導員(理学療法士又は作業療法士等):1人

 

♦ショートステイ♦

 

【障害福祉サービス】・・・短期入所

◎人員配置◎

・サービス管理責任者(実務経験3~10年+研修5時間):利用者数60人まで:1以上、利用者数60人を超える部分:40:1(常勤1以上)

・看護職員・理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数

平均障害支援区分4未満:6:1

平均障害支援区分4以上5未満:5:1

平均障害支援区分5以上:3:1

 

【介護保険サービス】・・・短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護

◎人員配置◎

・生活相談員(社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事等):100:1(常勤1以上)

・介護職員・看護職員:3:1(常勤1以上)

・機能訓練指導員(理学療法士又は作業療法士等):1人

 

♦ホームヘルプサービス♦

 

【障害福祉サービス】・・・居宅介護・重度訪問介護

◎人員配置◎

・サービス管理責任者:常勤の訪問介護員等のうち1人

・訪問介護員等:常勤換算5人(居宅介護職員初任者研修課程修了者・障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者(旧3級課程相当)・重度訪問介護従業者養成研修修了者

 

【介護保険サービス】・・・訪問介護

◎人員配置◎

・サービス管理責任者:常勤の訪問介護員等のうち1人

・訪問介護員等:常勤換算5人(介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員初任者研修修了者・旧介護職員基礎研修修了者・旧訪問介護員1級又は旧2旧課程修了者)

 

障害福祉サービスと介護保険サービスの2つが同じ事業所でできる「共生型サービス」高齢化や人材不足の解消し、サービスの質の向上を目指せます。福祉関係のお仕事は問題点を解決しながら、まだまだ需要が伸びてきそうです。

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