男女雇用機会均等法とは? 現状と“例外”をわかりやすく解説
2023.02.01掲載
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労働者の仕事がしやすい環境を守る法律、男女雇用機会均等法働いていると、一度は耳にしたことがあるかと思います。

  • パワハラにあったらどうしよう
  • 妊娠中にも働けるのかな?

上記のような問題を解決し、労働者に寄り添った内容の法律です。時代とともに改正もされています。

しかし、男女雇用機会均等法の下でも現状的に医療・福祉業界には“例外”もあるようです。

法律というと難しいそうなイメージですが、具体例も載せて下記でわかりやすく解説してます。ぜひ最後までお読みください。

 

♦性別による差別を禁止した法律。男女雇用機会均等法♦

男女雇用機会均等法とは、男女が仕事をするうえで性的な差別や、雇用の機会の差をなくすための法律です。「雇用の分野における男女の均等的な機会及び待遇の確保等に関する法律」が正式名称です。妊娠・出産・産後・育児中の女性労働者の安定した職業生活の保障が基本理念です。(2006年の改正により男性も含まれます)

 

♦具体例でみる医療・福祉業界の雇用の現状♦

医療・福祉業界は、全産業のなかで女性の就労者数割合が一番多くなります。雇用機会は男女の差が減少する傾向があり、年々男性の看護師・保育士・介護職員など進出も増加しています。しかし、結婚・妊娠・出産・育児などをきっかけに離職する女性は多いことも特徴です。立ち仕事・力仕事、夜勤を含むシフトを組んだ勤務体制などが離職する理由です。

例えば、高齢者のグループホーム(体は元気な認知症を発症した方が共同生活をする施設)は早番・日勤・遅番・夜勤といった4交代制です。以下は夜勤の具体例です。

【16:30 出勤→翌日 9:30 退勤】

仕事内容・・・・・・夕食の準備・入居者様の夕食(入居者様と一緒に配膳や準備。食事の介助)・夕食の片づけ・口腔ケア・服薬介助・団らん時の見守り・就寝準備(排泄介助・着替えの介助)・消灯後の入居者様の居室の定期巡回・体位交換・ナースコールの対応・朝食準備・起床介助(着替えの介助・熱や脈拍などバイタルチェック)・入居様と朝食の支度(食事の介助)・食事の介助・口腔ケア・服薬介助・日勤帯の担当者に申し送り。

妊娠中の方や幼い子供のいる女性が夜勤で働くことは大変です。働けたとしても体を使い力が必要な業務だったり、勤務内容も濃いものになっています。勤務を続けることは困難になり勤務を続けることは難しいようです。

 

♦具体例あり 医療・福祉業界の男女雇用機会均等法の例外とは?♦

労働者の性別や年齢を限定した求人の募集はできません。男女機会均等法では「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と定められています。ですが、適用外職種】といった業務をするうえで男女一方の性でなければ遂行できない場合、性別制限が認められています。

具体例として

  • 芸術・芸能分野といって表現の実現性により男女いずれかのみに従事させることが必要な職務(女優・男性モデル等)
  • 防犯上の理由から男性が従事した場合が必要である場合(守衛・警備員等)
  • 宗教上・風紀上・スポーツにおける協議の性質上、男女どちらかが従事する必要性がある場合(巫女、女性更衣室の係員等)
  • 保健師助産師看護師法などにより男性の就業ができない場合(助産師)
  • 風俗・風習などの相違により男女のいずれかが能力を発揮しがたい海外での勤務が必要な場合(イスラム諸国での男性のみの勤務)

介護の業界の求人でも「同性介助による性別の限定募集」が可能になります。

●求人募集の具体例・・・「入浴や排泄介助など生活支援員 女性の利用者様の入浴・排泄介助など。同性介助のため女性のみ希望」

ご利用者様の要望で、同性の介護職員の方がいいと思われた場合、性別で分けた募集も可能になります。

 

♦男女雇用機会均等法の改正♦

時代とともに、労働者の環境や考え方が多様化してきました。男女雇用機会均等法も改正され労働者の背景に応じて対応しています。以下はポイントとなる改正です。

【1986年 男女雇用機会均等法制定】

【1997年改正】  

・募集・採用・配置・昇進・退職・定年・解雇や教育訓練等での差別が努力義務から禁止規定になる。                          

・労働基準局の女性保護規定が全面的に撤廃。女性の時間外労働や深夜業に制限がなくなると共に、母性健康管理の保護も強化。                                                  

・事業主に対しセクシャル・ハラスメントに対する配慮義務が定められる。                                                   

【2006年改正】     

妊娠や出産等による解雇や降格の禁止、妊娠中及び産後1年以内の解雇は無効。

・女性差別から男女を問わない差別の禁止。

・男性にもセクシャル・ハラスメントの保護対象の拡大。事業主に対し配慮義務を処置義務にし強化する。

・配置における業務の配分・権限の付与、降格、職種・雇用形態の変更、退職勧告、労働契約の更新の追加。

・男女どちらかの性に不利益を与えることを禁止した「間接差別の禁止」が加わる。厚生労働省が定めていた「募集・採用における身長・体重・体力要件」「募集・採用における 

 転勤要件」「昇進における転勤経験要件」が禁止になる。

【2016年改正】  

事業主に対し、妊娠・出産中のマタニティ・ハラスメントの防止措置義務の設置。

【2020年以降】    

 改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の施行◎・・・優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、労働者の就業環境が害される。

 以上3つ全ての要素を満たすことをパワーハラスメントとする。事業主は防止措置から義務化になる。

 ・セクハラなど相談した労働者の不利益な取り扱いの禁止。

 

日本は1985年に国際条約である「女性差別撤廃条約」に推進します。国内法の整備が推進の前提になり、雇用の分野では男女雇用機会均等法の原型となる、勤労婦人法の改正に着手します。男女での仕事の差をなくし、女性の職業能力の開発・向上、仕事と家庭の調和がとれるよう法律に含めました。

医療・福祉業界は、仕事内容や、シフトの問題など男女雇用機会均等法でカバーできない部分があるようです。一生懸命働きスキルも高めたのに、離職してしまってはもったいないことです。「働きたい!」気持ちがあるのなら、雇用されている責任者や上司に相談することもお勧めします。配置換えや違った角度からのアドバイスもいただけるかもしれません。

また、介護関係のお仕事で不安に思うことがありましたら、福島介護求人・転職ナビにご連絡ください。お仕事探しや転職の相談も含め徹底的にサポートいたします。