2022年10月1日から職業安定法が改正されます。
具体的に何が変わるのか気になる方もいるでしょう。今回の記事では職業安定法の改正についてを紹介します。
■職業安定法改正について■
2022年(令和4年)10月1日に全面的に適用される改正職業安定法には、ネット上での求人情報提供などが対象となった規制強化が盛り込まれています。
♦職業安定法とは♦
職業安定法は、職業紹介事業等の適正な運営を保持するため、必要な決まりを設けた法律です。
求職者に職業の機会を与え、産業に必要な労働力を足すことで社会経済の発展に寄与することが目的です。
♦法改正の目的について♦
今までは人材派遣や人材派遣業の運営の際は国の許可が必要で、求人媒体は許可をせずに誰でも運営できる状態でした。
近年では求人媒体以外でも、職業安定法に決まりがない様々なサービスが登場してきたため、「応募情報等提供」の定義を広げつつ規律を整備することにより、求職者が安心してサービスを使えるようにすることが目的です。
法改正のポイントは主に下記の6つです。
1.募集情報等提供の範囲が拡大する
旧法ですと募集情報等提供は、1.求人情報を求職者に与える、2.求職者に関する情報を企業に提示することです。
しかし今回の法改正に伴い、3.求人情報や求職者に関する情報をクローリングで提示する、4.他の求人媒体に載っている求人情報を転載することが追加されました。
2.特定募集情報等提供事業者の届出制が創設される
「特定募集情報等提供」とは働き手になろうとする者(=労働者)に関する情報を収集することを示します。
労働者になろうとする者に関する情報は個人を特定できる情報のみならず経歴やメールアドレス、サイトの閲覧履歴なども含みます。
3.求人等に関する確かな情報の表示が義務化される
各事業者は求人等に関する下記の情報の正確な表示をする必要があります。
1.求人情報
2.求職者情報
3.求人企業に関する情報
4.自社に関する情報
5.職業安定法に基づく事業の実績に関する情報
◎webサイト、アプリ、メール、テレビ、雑誌などの幅広い方法で提供される情報が対象です。
確かな表示をする意味でも、下記のことを守る必要があります。
◎虚偽の表示や誤解を与える表示をしない
◎求人情報や求職者の情報を正確かつ最新の内容に保つ措置を講じる
4.個人情報の取り扱いに関する規則が新しくなる
事業者も職業安定法の個人情報に関することも対象となります。
事業者は下記の項目を守る必要があります。
◎業務目的の達成に必要な範囲で、求職者の個人情報を収集・使用・保管すること
◎求職者の個人情報を集める際は、業務の目的を明らかにする
◎業務上で知って得た人の秘密を漏らしてはいけない
◎求職者の個人情報をみだりに第三者に提供してはいけない
5.苦情に対する適切かつ迅速な対応が義務付けられる
求人情報や求職者からの苦情を、適切かつ迅速に処理する必要があります。そのため必要な体勢の整備が義務付けられます。
体制は事業規模により違いはありますが、電話番号、メールアドレス、問い合わせフォームなどの苦情の申し出先や相談窓口などを明らかにすることが必要です。
6.利用者の選択のためにも、事業情報の公開をする
・求人等に関する確かな情報の表示に関する事項
・個人情報の保護に関する事項
・苦情の処理に関する事項
・求人情報や求職者情報の検索結果の標準の決まりにあたって考慮されている事項
◎上記の項目は、インターネットを通じ情報の公開に努めてください、公開しなくても法には触れませんが、利用者のためにも公開するのが良いでしょう。
まとめ
職業安定法は、主に職業紹介や労働者募集や労働供給について定めた法律です。
労働者保護の観点などから職業紹介をする事業者には様々な規則があり、求人活動を行う際は改正ポイントに留意する必要があります。