介護職員らの待遇の改善を目的とした新しい加算「介護職員ベースアップ等支援加算」が創設されます。
新しい加算なのでどういった加算なのか分からないという方もいるでしょう。
今回の記事では介護職員等ベースアップ等支援加算のことを紹介しますね。
◆介護職員ベースアップ等支援加算とは何か◆
介護職員ベースアップ等支援加算は、2022年10月の介護報酬改定を経て作られる新しい加算です。
介護職員に対し、3%程度引き上げるための措置という意味合いがあり、介護職員以外の職種にも配布することができる加算です。
なお介護職員ベースアップ等支援加算は、2022年2月に新設された「処遇改善支援補助金」の考え方が元になっています。
◆介護職員ベースアップ等支援の特徴について◆
今回の加算ですが介護職員以外にも配布ができます。そのためこの点は2019年に作られた「介護職員等特定処遇改善加算」にとても近いです。
一方で、処遇改善のどこに充てるかにつきましては、他の加算と比べても独自の決まりがあります。
◆介護職員ベースアップ等支援加算について◆
1.加算額
・対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人あたり月額平均9,000円の賃金引き上げに相当する額です。
(見込額)=(1月当たりの介護報酬総単位数)×(加算率)×(1単位の単価)
※1円未満の単数は切り捨てです。
2.取得要件
・処遇改善加算のⅠ~Ⅲまでのいずれかを取得していること。
・賃金改善の合計額の2/3以上は、介護職員等のベースアップ等に用いること。
3.対象となる職員
介護職員
◆介護職員の処遇改善について◆
介護職員の処遇改善とは、介護業界で働く際の賃金を上げることで、人材を確保するために作られた制度です。
流れとしては、加算を受けるための申請を、介護事業所が国に対して行います。
具体的には「職場環境整備」と「キャリアパス」という2項目に関して、取り組みや仕組み作りを行う事です。
それらを事業所が申請して審査を通過すると「介護職員処遇改善加算」を取得することができます。
介護職員の処遇改善は介護職員に対するお給料の一部を国が補助する制度です。
介護職員の給与が上がる施策になるでしょう。
◆介護職員処遇改善加算の対象となる職員について◆
介護職員処遇改善加算は、介護業界に携わる方にとっては有難い仕組みです。
しかし働くすべての方が対象になるのかそうではないのか? ということも気になる部分ですね。
まずはこの点をみていきましょう。
まず前提となっているのは、勤務している介護事業所が、介護職員処遇改善加算を取得しているのかを確認することです。
もし取得していない事業所の場合は独自の給与体系を設定し、人材を確保を努める事例もあるようです。
自分が所属している介護事業所が、介護職員処遇改善加算を取得していた場合、加算対象になるのは誰か?基本的には「介護にあたる介護職員の全て」となります。
資格の有無や雇用形態は無関係です。正社員やパート、派遣社員、契約社員も対象になります。
実際には多くの介護職員の給与が上がります。
一方介護職以外の人材は対象外です。ただし業務の一環として介護に携わっている場合は介護職員処遇改善加算の対象となります。
背景にあるのは、介護業界における人材不足です。
しかし介護の仕事は、体力や精神にも負担がかかるわりには給料が低い、というのが現状です。
せっかく人材を確保しても中々定着せずに、常に人材不足という状況に陥りがちです。
◆まとめ◆
介護職員ベースアップ等支援加算は介護業界で働く方にとっては有難い制度です。
ただし職業によっては対象にならないので注意が必要です。
また介護職員が働きやすくなるために処遇も改善されていますので、今後介護に携わりたいという方は調べておくといいでしょう。