高齢者が利用する介護施設は様々なタイプがあり、その施設によって特徴や職員の働き方、給料などが異なります。
介護施設で働こうと考えている場合、選択肢の一つとして「グループホーム」という施設が頭に思い浮かぶ人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、グループホームの特徴や働く上でのメリット・デメリットについてご紹介します。
今後、介護施設で働くことを検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
◆グループホームの特徴◆
まず初めにグループホームの特徴についてご紹介します。
グループホームは介護保険法の「認知症対応型共同生活介護」の指定を受けた施設であり、地域密着型サービスに分類されています。
今回ご紹介するグループホームとは、認知症を患っている高齢者を入居者の対象としており、複数人で共同生活を送る介護施設のことを言います。
実際には、5~9人の少人数が1つのユニットとなって生活している状況です。
他の介護施設との大きな違いは、入居できる高齢者の人数が少ないことです。
人数に制限を設けることで、家庭に近いような環境で生活を送れます。
また、有料老人ホームや介護老人保健施設、特別養護老人ホームとの違いは、要介護認定で要介護2以上の認定を受けていることが入居条件になっているという点です。
入居後は、認知症を患っている他の入居者と共同で生活することになるため、重度の認知症を患っている人や寝たきりの人は受け入れてもらえない可能性があります。
グループホームで働く職員の仕事は入居者に対して生活の援助・介助を行うことであり、身の回りの世話を全てするというわけではありません。
認知症を患っている高齢者が自立した生活を送れるようになることを目的としているため、食事や掃除、洗濯などは入居者同士で分担して行っています。
このように、入居者自身が周りと協力し合いながら共同生活を送ることによって、認知症の症状を改善する効果が期待できると言われています。
自宅では味わえない雰囲気や仲間との会話などが良い刺激となるのです。
◆グループホームで働くメリット・デメリット◆
少人数で共同生活を送るという特徴を持つグループホームですが、実際に施設で働く場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
ここでは、グループホームで働く職員のメリット・デメリットについてご紹介します。
◎メリット◎
一般的に介護業界で働く場合、ある程度体力が必要だと言われていますが、グループホームは少人数制であり、身の回りのことは基本的に入居者自身が行うため、体力面で言うと他の介護施設よりも負担が少ないです。
施設に入居できる高齢者は要介護2以上と認定された人のみであり、要介護認定が高い高齢者を受け付けている介護施設と比べると働きやすいと言えます。
グループホームで働くのが向いているのは、介護業務に慣れていない人や体力に自信がない人などです。
肉体的な負担を極力抑えて介護施設で働きたいのであれば、グループホームを選んでみてはいかがでしょうか?
働く上で得られるメリットは他にもあります。
グループホームでは普段の生活の延長を目指しているため、他の介護施設と比べるとアットホームな雰囲気の職場です。
5~9人が1つのユニットとなって生活していることで、より家庭的な雰囲気の中で働けることがメリットとして挙げられます。
のんびりと介護が行われるため、職員は一人ひとりに寄り添って生活のサポートができる他、入居者たちとの信頼関係も築きやすいです。
少人数であれば一人ひとりとの時間が増え、自分が行った介護による効果や反応も分かりやすくなります。
実際にグループホームで働いている職員は、高齢者の様子を近くで見ることで仕事にやりがいを感じられると言います。
また、無資格・未経験で始められることも大きなメリットです。
◎デメリット◎
一方、働く上でデメリットに感じることもあるようです。
グループホームの最大の特徴は認知症を患っている高齢者のみを受け入れていることであり、働く職員は認知症ケアが主な業務となります。
認知症患者は徘徊を繰り返したり、暴言を吐いたりするため、働く職員の中には精神的なダメージを受ける人もいます。
相手が認知症患者だと分かっていても、日々そのような症状と向き合わなければいけないため、つらいと感じる場面も多々あるようです。
精神的な負担を軽減するためにも、認知症への理解を深めることが重要です。
また、グループホームで働く場合、日中勤務の他に夜間勤務があるため、慣れないうちは生活リズムが乱れがちになります。
最初は慣れないことの連続かもしれませんが、自分のペースでゆっくり色々な業務を覚えていきましょう。
◆給料はどのくらい?◆
常勤か非常勤かによってグループホームの平均給料は異なります。
厚生労働省が発表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤の場合は287,770円、非常勤の場合は207,980円という結果が出ています。
前年比を見ると給料が上がっていることが分かります。
さらに給料アップを目指すのであれば、「介護福祉士」や「ケアマネージャー」といった資格を取得するのがおすすめです。
グループホームで働く上で特に必要な資格はありませんが、保有資格の有無は給料に反映される可能性が高いため、取得しておいて損はありません。
場合によっては、有資格者と無資格者との給与額に5万円ほどの差が出るケースもあるため、給料アップを目指したいのであれば資格を取得してみてはいかがでしょうか?
今回は、グループホームの特徴や働く上でのメリット・デメリットについてご紹介しました。
無資格・未経験でも働きやすく、近年給料も上昇傾向にあるため、介護業界の中でも人気が高まってきている施設形態です。
他の介護施設と比べると働きやすい環境が整っていると言えるかもしれませんが、初めて働く職場である場合、自分に合った職場を探せるかどうか不安に思っている人も多いはずです。
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