福島県内の施設で介護職として働き始めようと考えたら求人をチェックします。
その時に、一般企業のような株式会社だけではなく社会福祉法人や医療法人の施設があることに気が付くはずです。
介護経験がないと違いについて分からない人もいるでしょう。
今回は、社会福祉法人・医療法人・株式会社の違いについて解説していきます。
■介護職が勤務する法人の特徴について
まずは、社会福祉法人・医療法人・株式会社の特徴からみていきましょう。
◎社会福祉法人
社会福祉法人は、利益を目的としない非営利法人で事業の目的は福祉です。
特別養護老人ホームや訪問介護、ショートステイなどを運営しています。
他との大きな違いは、特別養護老人ホームを運営できるという点です。
◎医療法人
医療法人は、利益を目的としない非営利法人で事業の目的は医療です。
病院などの医療施設や介護老人保健施設、訪問看護などを運営しています。
病院と連携している介護施設を運営できるのが大きな強みです。
◎株式会社
株式会社は、営利を目的とした法人です。
事業目的は経営者が自由に決められます。
有料老人ホームやデイサービス、サービス付き高齢者向け住宅などを運営しています。
幅広い介護サービスを提供できるのが最も大きな特徴です。
■報酬はどのくらい?
介護施設の運営母体により、職員に支払われる報酬に差が生まれます。
社会福祉法人は33万8,610円、医療法人は32万5,750円、株式会社は30万3,050円が介護職員の平均的な給与です。
社会福祉法人や医療法人の方が株式会社よりも平均月収は高い傾向がありますが、会社の規模によって大きな差が生まれます。
株式会社でも運営元の規模が大きければ、高い報酬を提示しているところもあるのです。
■社会福祉法人の魅力とおすすめの人
社会福祉法人は、他と比べると月収が高めに設定されているケースが多いです。
株式会社よりも倒産するリスクが低いことから、安定した収入を手にしたいと考えている人におすすめだと言えます。
特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護などいくつかの施設を運営しているケースが多いです。
法人内に色々な施設がある場合、移動して幅広い知識やスキルを身に付けられます。
また社会福祉法人は、通称・特養と呼ばれる特別養護老人ホームを運営できるというのが他との大きな違いになっています。
特養は介護度が高い人(要介護3以上)が入所していて、終身にわたって入居可能な施設です。
そのため、重度の身体介護に携わることができます。
認知症の人も多いので、認知症ケアに関する知識やスキルを身に付けたいと思っている人にも適しています。
終身にわたって入居できる施設なので、看取りケアにも携われるのも社会福祉法人が運営する特養だからこその特徴です。
ただし社会福祉法人は、歴史的な文化があるため新しいやり方やアイデアを受け入れてもらいにくいというデメリットがあります。
長い歴史の中で積み上げられてきたものは簡単に崩せないため、新しく入ったばかりの職員が意見を言うのは難しい風潮があると思っておきましょう。
昔から長く働いている職員が多い傾向があるため、新しいやり方を学びたいと思っている人にはあまり向いていないと言えます。
■医療法人の魅力とおすすめの人
医療法人は、クリニックに併設する介護施設、リハビリや治療が主な目的となる介護老人保健施設、デイケアなどを運営しています。
社会福祉法人よりも月収ベースで見ると低くなりますが、医師や看護師と連携した介護をしたいと思っている人にはおすすめです。
リハビリの専門職である作業療法士や理学療法士と共に入居者に関わる場面も多いため、リハビリ関連の知識やスキルを学べる環境で仕事ができます。
介護技術にプラスしてリハビリの技術やスキルに関する理解も深め、さらに高度なケアを提供したいと考えている人に向いているのが医療法人です。
地域に密着している医療法人が介護施設を運営しているケースが多いため、社会的な信用度の高さも魅力的なポイントです。
ただし医療法人は、医師や看護師がメインとなって入居者に携わるため、介護職員はオムツ交換や入浴介助といった業務がメインになります。
日常生活のサポート以外にレクリエーションなどに関する知識やノウハウを身に付けたいと思っていると「想像していた介護職とは違う」と感じる原因になりかねません。
■株式会社の魅力とおすすめの人
最近は、株式会社が介護施設を運営するケースも増えています。
全く介護とは違う業種から参入してくるパターンがほとんどで、社会福祉法人や医療法人とは違う視点で施設作りをする所が多いです。
比較的お金を持っている富裕層をターゲットにした高級志向な有料老人ホーム、介護保険外のサービスに力を入れる施設、レクリエーションや食事など特定の分野に特化している施設などは株式会社が母体だからこそ可能となっています。
従来の施設とは全く違う特色を持つ施設が増えているのは、新たに介護分野に参入する株式会社が増えたからです。
特色のある介護を提供したい、これまでとは違った視点でサービスを提供したいと思っている人におすすめです。
新規立ち上げではオープニングスタッフを募集し、介護とは無関係の仕事をしていた人と一緒に仕事をする場合もあります。
そのため、介護の固定概念にとらわれない柔軟な考え方に気が付けるでしょう。
給与は、社会福祉法人や医療法人より低い傾向がありますが、運営元によっては高めに設定されているところもあります。
また株式会社の場合は、事業の拠点を全国に持っているところもあります。
介護施設の数も増えていけば、家族の事情で引越しをしたとしても働き続けられる可能性が高いです。
ただし、介護施設をスタートしたばかりの会社だと研修体制が整っていないこともあります。
会社の経営が給与に直結するため、入居者が集まらないとボーナスが出ない可能性もないとは言い切れません。
■介護施設ごとの法人格の違いを理解しよう
介護施設の運営母体が異なると、施設の形態も異なります。
給与や介護職員として働くメリット・デメリットにも違いがあるため、応募しようと考えている施設はどこが運営しているのかチェックしてみましょう。
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