「小規模多機能型居宅介護」とは?
2019.09.16掲載
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施設形態

小規模多機能型居宅介護は「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて利用するサービス

小規模多機能型居宅介護は、施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や自宅への「訪問」を組み合わせ、生活支援や機能訓練をひとつの事業所で行う在宅介護サービスの一種のことです。

小規模多機能型居宅介護サービスを提供する1事業所あたりの利用定員は、登録が29名以下、「通い」が1日あたり18名以下「宿泊」が1日あたり9名以下と、その名のとおり小規模です。利用者は、施設に通ったり、そこで宿泊したり自宅でスタッフの訪問を受けたりしながら日常生活のサポートやケアを受けます。

ケアプランの作成からサービスの提供まで同じ事業所が行うため、利用者とスタッフ、また利用者同士が顔見知りとなり、おのずとアットホームな雰囲気が生まれます。そこで継続的にケアを受けられることは、環境の変化に敏感な高齢者にとって、大きな安心感に繋がるのではないでしょうか。

 

小規模多機能型居宅介護におけるサービスと既存の在宅介護サービスの違い

小規模多機能型居宅介護における「通い」「訪問」「宿泊」は、既存の在宅介護サービスの「通所介護(デイサービス)」「訪問介護」「短期入所生活介護(ショートステイ)」にあたります。しかし、これらは一見同じでも、比較すると違うものであることがわかります。

デイサービス通いサービス>
一般的に、デイサービスでは、施設が決めた時間割に沿って、利用者はレクリエーションに参加したり、食事をしたり、入浴したりして過ごします。

一方、小規模多機能型居宅介護の「通い」では、利用者は自分の生活に合わせた時間の過ごし方ができます。一日を通して利用する人もいれば、食事のみ、入浴のみに数時間だけ利用する人もいます。

訪問介護訪問サービス>
訪問介護は、ヘルパーが時間単位で利用者の自宅を訪れ、決められた訪問介護サービスの枠に合わせて支援を行うものです。

小規模多機能型居宅介護の「訪問」では、利用者は必要な時に必要な量の支援を受けることができます。例えば身体的な介護のほか、散歩の付き添い、安否確認や服薬のための短時間だけの訪問も可能です。緊急時は昼夜を問わず駆け付けてもらえるのも心強いポイントです。

ショートステイ宿泊サービス>

ショートステイは、利用者があらかじめ利用したい日時を施設に予約することが必要です。もし希望の予約が取れなければ、日程を変更するか、他の施設を探さなければなりません。
小規模多機能型居宅介護では、利用者は日中「通い」を利用した施設にそのまま「宿泊」することができます。また、本人の体調や家族の急用や急病などの緊急時にも利用できるので安心です。

 

そして、最大の違いは「通い」「訪問」「宿泊」をひとつの事業所で馴染みの関係が築かれているスタッフの下、その方の生活に合わせ組み合わせて利用できることです。特に、認知症の症状がある方は、環境の変化に敏感ですが、馴染みの関係、場所でサービスを受けることは、ご本人やご家族の安心にもつながります。 このように、小規模多機能型居宅介護では、利用者一人ひとりに合わせて、24時間365日切れ間なく、その方が必要としている支援を受けることができるのです。柔軟な支援を受けながら、利用者はこれまで培ってきた家族や地域との繋がりを断つことなく、生活を続けていくことができます。

 

人はたとえ認知症や持病を患っても、住み慣れた地域で、顔なじみの人たちと関わり合いながら、最期まで自分らしい「暮らし」や「生き方」をしたいと願うもの。小規模多機能型居宅介護は、そんな願いに寄り添う介護サービスなのです。